現物投資以外の金投資~「金ETF」について
これまでご紹介した「現物投資以外の」金投資の代表格となるのが、金の上場投資信託「金ETF」です。
金ETF(Exchange Traded Funds)は、成果が金価格に連動するよう設計された投資信託です。
金ETFはもともと機関投資家向けに開発された商品で、株式と動きが連動しないことから、分散投資に格好の投資対象として、欧米の機関投資家は積極的に金ETFを保有しています。
金の現物が手もとにくるわけではないので、現物投資のように保管の問題に頭を悩ませる必要はありません。
取引価格がその日の決定価格に固定される現物投資に比べ、市場における金価格の上昇をダイレクトに享受できる点は金ETFのメリットです(ただし為替リスクがあるので、円換算収益が円高によって減殺される可能性はあります。金投資のリスクとは~為替リスクと価格変動リスク ご参照)。
金ETFは上場しているので、株式と同様に市場が開いている限りは時価で売買でき、流動性・換金性が非常に高くなっています。
金ETFは、東京証券取引所と大阪証券取引所に上場されています。
2008年から東証に上場されている商品が「SPDRゴールド・シェア(証券コード1326)」、そして2007年から大証に上場されている商品が「金価格連動型上場投資信託(証券コード1328)」です。
ただしこの二つの商品の基本的性格は、大いに異なっています。
「SPDRゴールド・シェア」は、設定会社が投資家の資金で実際に金を購入します(したがって、理屈上は金の現物との交換が可能なのですが、米国で最低10万口単位からとされており、個人にとっては事実上現物との交換は不可)。
ちなみに価格は、東京工業品取引所の金先物価格に連動しています。
売買単位が以前の50口単位から最近1口単位に変更されたため、とりわけ個人投資家は、1万円前後から手軽に投資することができるようになりました。
その一方「金価格連動型上場投資信託」は、金に直接に投資するわけではなく、「金価格に連動する目的をもって発行された債券」に投資を行うものです。
したがってこちらは、金現物との交換ができないのはもちろん、その債券を発行した投資銀行など発行体の信用力があり、かつ信託保全の裏付けがきちんとあることが必要になります。
言い換えれば、こちらの金ETFは、発行体の倒産リスクが存在している点に注意が必要です。
「金価格連動型上場投資信託」は最低売買単位が10口で、金額にしておよそ3万円くらいから投資が可能です。
金ETFを購入する場合は、証券会社を通じて証券取引所に指値注文・成行注文のいずれかの注文を出します。
株式取引と同様に信用取引口座を開設して、売り注文から入ることも可能です。
ただし株式投資と同じく元本保証がないのは当然ですし、売買にあたっては証券会社に委託手数料を支払う必要があります。
売買委託手数料を安くあげるなら、インターネット専業証券を利用するのがよいでしょう。
また金ETFは投資信託ですので、信託報酬もかかってきます。
税金面では、総合課税される金地金や純金積立に対し、金ETFは株式投資と同じく確定申告による「申告分離課税」となります。
ただし特定口座を設け「源泉徴収あり」を選択した場合は、証券会社が納税を代行してくれるので確定申告は不要になります。
金ETFの利益・損失は、他の上場株式との損益通算ができますし、3年間の繰越控除も可能となっています。
上場株式には他の金ETFも含まれますが、ただし現物の金地金の損益と相殺することはできません。